受賞作品・生徒作品

フラワーフェスタ



「ショー」という形で花の魅力を舞台で表現する、年に一度のフラワーフェスタ。企画から台本作り、演出、運営まで、すべて生徒たちによって手がけられる。創立15周年にあたる2007年は9月27日、牛込箪笥区民ホールでの開催が決定。テーマは、日頃から授業で学ぶ色彩学を意識して「色」。6月から準備は始まった。

色って何だろう? とことん調べ、話し合い、
練った企画をプレゼンテーション。

花の色をどう表現しよう?赤、ピンク、黄と色分けするのは簡単だけど、面白くない。もっと創造的に、ロマンティック、クリア、ワイルド、モダン、ポップ、エレガントと、色の持つイメージを6つのグループに分けることが決まった。それぞれのチームリーダーが選ばれ、メンバーが揃ったのは7月初め。夏休み返上でコンセプトやストーリーを考え、舞台セットの平面図を描き、8月末、チームごとにまとめた企画案を全生徒の前で発表した。「花の形ではなく、あくまで色をどう表現するのか考えて」「別のチームと似ているなあ、ほかの案はない?」。舞台監督の坂口彰一さんの意見に、生徒たちは熱心に耳を傾ける。「お客様を退屈させないためにどうするか、常に頭に入れるように」。この言葉に、隅内詩織さん(栃木・宇都宮海星女子学園出身)は真剣にうなずく。一から構成の練り直しになったチームもあった。でも、いいものを創って観る人に喜んでもらいたいという思いは、いっそう強くなった。


やりたいことがあるから熱くなるし、意見もぶつかる。
休日返上で準備と練習。

フェスタ準備中の学校は、いつもより一段と活気に溢れる。衣装を縫うミシンの音、大道具に釘を打つ音が響き、踊りの練習をする教室からはポップミュージックが流れる。「振り付けはダンスをやっている友たちに考えてもらった。踊っていると、本当に楽しくて」大沢希美さん(埼玉県立飯能高校出身)は笑顔で語る。ときには意見が対立し、チームの和が乱れることも。「でも、全員の意見をどんどん重ねていって、その先にコレだというアイデアが生まれると嬉しい」と全南姫さん(韓国・Soong Eui女子短期大学出身)。同じ目的に向かっているから、気持ちは一つになるのだ。1年生で参加している風晴南さん(東京・実践女子短期大学出身)は「私たちはまだ教科書で基礎を学んでいるだけ。先輩たちのアレンジの技を目の当たりにすると、すごく刺激になる」と、早くも来年の自分たちのフェスタへ思いを重ねている様子だ。教室、廊下、近所の公園、あらゆるところが仮のステージ。猛暑の夏空の下、毎日遅くまで生徒たちは練習に励んだ。


緊張のリハーサル。舞台って広い!
でも、だんだん気分が高揚してきて・・・。

前日のリハーサルでは、本番と同じ照明、音響が調整される。「目線をもっと上にあげて」「立ち位置がバラバラだよ」「表情が硬い!」監督から指示が飛ぶ。舞台の上は、教室とは勝手が違ってとまどうけれど「プロみたいな照明に照らされているうち、気持ちが盛り上がってくる」と原田望さん(茨城県藤代高校出身)は楽しそう。大道具係は男子の役目。「一人一人が責任を持ってやらないと皆が迷惑するから」と遠藤真くん(山梨県立農林高校出身)たちは女子が楽屋で休憩中も舞台に出て、不備がないか気を配る。舞台そででは、小室綾乃さん(茨城県立古河第三高校出身)と1年生の高橋未来さん(東京・文京学院大学女子高校出身)がステップの練習に余念がない。「だんだん合ってきた!嬉しくなってきた!」「でも本番でうまくいくかな・・・」不安は隠しきれないけれど、今まで積み上げてきたものを素直に出せば、きっと大丈夫。


いよいよ本番。
「私たちが表現する、花の魅力を楽しんでください!」

当日の舞台裏は、オブジェやブーケ、衣装に飾られた芳しい花の香りに満ちている。18時、鈴木恵さん(新潟県立新発田商業高校出身)の司会で幕が開いた。チームが順番に、それぞれの色のイメージを音楽に合わせ、演技で、フラワー装飾のデモンストレーションで表現する。真剣な表情でポーズを決め、コミカルなシーンでは楽しそうに、表現者として堂々と体を動かす生徒たち。いよいよエンディング。ウエディングブーケを持った花嫁が現れて幕がいったん下り、グランドフィナーレで生徒全員が登場!満席の観客席からの割れるような拍手に答え、手にした花を振ってお辞儀をする。「成功したね!」「大変だったけど、あーっというまだった・・・」ちょっと名残惜しそうな、でもこれまでに見たことのない輝く笑顔が、舞台の上には溢れていた。

笑顔の裏で、人をひっぱる立場の責任をかみしめた4ヶ月

実行委員長 池井愛子さん(愛知県立明和高校出身)

私たちが花に惹かれる大きな理由の一つに色があります。ぜひそれを表現したいと思いました。難しいテーマでいろいろ大変だったけれど、委員長の私が弱音を吐いては皆を不安にさせると思い、「いつも笑顔で」と自分に言い聞かせていました。意見の対立していたチームが、だんだんとまとまるのを見ていると、自分のことのように嬉しかった。今は指導してくださった先生方や、見に来てくださったお客様に感謝の気持ちでいっぱいです。


花の学校に入学して、ドレスを縫うことになるなんて!?

副実行委員長 加瀬野裕規くん(茨城県立水海道第二高校出身)

実行委員としての仕事と、自分のチームの練習との両立に悩みましたが、皆に相談し、最後はチームのほうに力を入れることで悔いなくやりとげられた。実行委員としての仕事で面白かったのは、エンディングのウェディングドレス作りかな。図書館で洋裁の本を借り、生地選び、裁断、縫製、アイロン掛け、すべて委員6人で分担して仕上げました。力を合わせることで生まれるパワーを実感できた、貴重な体験でした。


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