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 学校法人 日本フラワーデザイン専門学校 フラワーデザイン授業レポート

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Posted on 2008.06.10 - 授業レポート -

10 プロポーション(比率・割合)について


6月10日(火)

 

 

DSC_0001.JPG    a.JPG(前回の講評)

 

「作品の中に花材を配置するとき、花材同士、またはグループ同士のバランスについて考えることは重要です。このバランスはプロポーションと深い関係があります」

と岡先生。

プロポーションは比率とも呼ばれ、フラワーデザインではコンポジション(構成)、レイアウト(配置)モーメント(動線・力線)と並んで、美を作り出すための重要な造形規準の一つ。作品全体に対し、ある花材やグループが占める割合のことや、花材同士、グループ同士を比較したときの分量の割合、関係のことをさす。プロポーションのバランスをどうとるかで、作品の美しさや、見る人に与えるイメージが大きく変ってくるんだって。

 

「皆さんはすでに実技の授業で、美しいバランスを生み出すプロポーションについては実践していますね」

 

と先生。あれ、そうだっけ?

「アシンメトリーの作品を作るとき、主のグループ、対抗するグループ、寄り添うグループと3つにグループピングしていますよね。そのとき、主のグループに入れる花の量は8、対抗するグループは5、寄り添うグループに入れる量は3と、全体で8::3の割合になるように行っているでしょう。この割合のことをプロポーションと呼ぶのよ」

 

そうだったのか!確かに、実技でアレンジメントを作るとき、この割合が変わると安定感が失われたり雰囲気が変わることは実感していた。でも、なぜ8:5:3なんだろう?

 

美しいプロポーションを決定するためには、昔から使われている基準がある。黄金分割と等量分割だそう。

黄金分割は、人間にとって最も安定し美しいとされる比率で、建築や美術で利用される。ある長さを2つに分けたとき、短いほうと長いほうの割合が、長いほうの長さと全体の長さの割合に等しい関係にあることをいう。

黄金のように絶対的に美しい比率なので、このように名づけられているとか。正確には1:1.618・・・となるけれど、3:5または5:8として覚えるとわかりやすい。古代ギリシャ時代には、建築や窓枠、額縁から彫刻など、すべての美の原理として使われた。有名なミロのヴィーナスも、これに従って作られているんだって。

 

「実は自然界に存在するものは、そのままで美しい比率を備えているものが多いの。形が美しくバランスがとれていると感じる葉っぱをみつけたら、長さと幅を測ってその比率を計算してみてごらんなさい。黄金比率に近いことがよくあります」

と先生。

 

へえ、それって、すごく面白いし神秘的!

等量分割とは、日本で古くから利用されてきた分割法。1:1、1:2、1:3、2:3、3:5、5:8・・・と、単純明快でわかりやすく、覚えやすい。例えば畳1枚は1:2の比率で構成されているし、障子や格子の桟は1:1、6畳間の間取りは3:4など、日本人の生活のいたるところで見られる比率なのだそう。

そういえば黄金分割、等量分割のどちらにも、3:5、5:8の比率が含まれているけれど?

 

「美しい比率は世界共通、ということなのね。皆さんが実技で実践している8:5:3の比率は、現在のフラワーデザインでよく使うアシンメトリーのコンポジション。それがなぜなのかわかりましたか?等量分割による整数比でもあり、同時に黄金比でもあるからなのね」

と先生。

 

昔からさまざまな造形の中で活用されてきた比率の基準。魅力的なフラワーデザインのためには、その原理を知ることは大切なんだ。作品全体の幅と高さの関係だけでなく、花器と花の関係などにも比率の考えを活かすことができるんだって。

 

「でも、私たちが扱うのは植物です。一つ一つが完成された美や個性を持つ生命体で、数字以上に見る人の感性に訴えかける、生まれながらにしての魅力を多く備えている素材。そこが他のデザイン分野との違いです。したがって実際の作品に比率をあてはめて考えるとき、単に本数や長さを基準にするだけでは不十分。姿、形から受ける生命力やボリューム感、色、材質感などさまざまな要素を統合して判断することが必要になります。例えば球状に咲く花と平たい花、または円錐形の花を同じ高さで生けると、見え方が違ってくることは想像できますよね。また花材だけでなく、使用する器の形や色、材質感によって、同じ比率でも感じ方は変わりますよ」

 

あえて比率の基準をはずしてみる。すると思いがけない効果が得られて、面白いフラワーデザインが生まれることもあるのだそう。数字だけに縛られずに、感覚的にバランスを捉えて作品が作れるようになることも必要だって。そのためには実技の練習だけでなく、自然をよく観察し、植物の姿やキャラクターをもっと知ることも大切じゃないかと思う。

 

 

午後の実技は、丸い花束。

 

s.JPG3回目の今日は先生からの説明に頼らず、習ったことを具体的に意識しながら自分でまとめなければなりません・・・。

 

 

 

 

 

d.JPG使用花材はバラ、スプレーカーネーション、ダイアンサス、ブルーファンタジー、スプレーデルフィニウム、センニチコウ、ミリオグラタス、レモンリーフ、レザーファン、ピットスポラムと、これまでにない多さ!下処理にかけられる時間はたった40分だって。できるかな?でも間に合わせないと、今日は1回花束をまとめたあと崩して2回目を作らないといけないので、時間が足りなくなってしまう。

 

 

f.JPGのサムネール画像「プロポーションについて自分で考えてみましょう。円形部分の直径と高さの割合を、8:3~8:5にすることは覚えていますか?直径は25センチに仕上げるので、高さは何センチになるでしょう?」

と岡先生。

午前中の構成理論の授業で習ったプロポーションの話を思い出す。25センチの3/8から5/8ってことは・・・計算すると約915センチだ!茎は、円形部分の高さの1/2から2/3の長さに切りそろえる。つまり、高さと茎の長さの割合は、2:1から3:2になるってこと。ここには日本古来の等量分割が活用されているんだね。

 

数字って実は苦手だけど、今日は勉強したばかりの内容なのでしっかり頭に入るな。今日はお花の種類が多いので、配置のバランスを考えるのに悩んでしまう。

  

z.JPGのサムネール画像  l.JPG

 

出来上がった花束を先生に見ていただく。

「少しお花の量が多すぎて暑苦しい印象ね。カーネーションを一列減らして、代わりにミリオグラタスを入れてみたら。ボリュームはそのままで、もっとすっきりするわよ

お花をたくさん入れればいいってわけではないのね・・・。

 

 

仕上げた自分の作品は、毎回写真に撮っている。それをノートに貼って、先生からの講評を書き込んでまとめる方法は、他の子がやっているのを見て参考にした。T美ちゃんは、そこに午前中の構成理論の授業で習ったことも、プリントを参照して書き加えてるんだって。

構成理論が実技にどう活きるのかがわかると、自分で考えながら作品を構成できるようになってくる。楽しいな!

 

x.JPG入学式からはや2ヶ月。まだ2ヶ月だなんて信じられない。あっというまに1週間が過ぎていくけれど、知識や技術が少しずつ身についていくのを実感するよ。2ヶ月前は、こんなふうに花束がまとめられるようになるなんて、想像もできなかった!

 

 

j.JPG 

 

 

 

 

 

 

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