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 学校法人 日本フラワーデザイン専門学校 フラワーデザイン授業レポート

  • フラワーデザイン授業レポート

Posted on 2008.05.27 - -

8 レイアウトの方法


527日(火)。

美を作り出すための重要な条件「造形の秩序」。その中の3つの造形規準、コンポジション(構成)、レイアウト(配置)モーメント(動線・力線)の中の、今日はレイアウトについての勉強です。

 

フラワーデザインの世界でいうレイアウトとは、植物素材を、位置や空間の取り方を考えて作品の中にバランスよく配置すること。そのための具体的な方法として、グルーピング、列組み、段つけの3つがあるという。

 

グルーピングは、何本かの植物でグループを作り、それぞれのバランスを考えて配置すること。一つの作品の中に主のグループ(支配的)、対抗するグループまたは副グループ(主グループに従属)を作って強弱をつけることで、フラワーデザインにメリハリと面白味が生まれる。ただし、作品の統一感のために、グループに共通した素材を使うことが重要になる。

グルーピングには、主のグループを中心に据え、2つの対抗するグループを等距離に配置する方法などで、シンメトリーに見せる「厳密なグループ分け」と、主のグループのそばに寄り添うグループを置き、離れたところに対抗するグループを置く方法などでアシンメトリーに見せる「自由なグループ分け」の2通りがある。どちらの方法を選択するかは、作品のイメージや制作意図によって変わってくる。

 

列組みは、列を作って素材を配置していくこと。一定のリズムで配置すると安定した列、変化をつけるとリズミカルな列になる。また同じ素材を繰り返すと明快な印象となり、異なる素材を異なる間隔で規則的に繰り返すと、さらにリズミカルさは増す。列組みの効果は列の先の存在へと見る人を心理的に誘導することにあって、教会の祭壇へ向かうバージンロードの両側の花装飾や、駅に向かう通りの並木などが例として挙げられる。

 

段つけは、挿す花材に高低差、つまりアップダウンをつけること。アップダウンを作ることによって作品の中に空間が生まれ、立体感や奥行き感もでて植物全体の姿や動きを見せることができる。真ん中に入れる花材を低くして両側を高くすると段差がはっきりし、効果はより明確に得られる。

 

「美を作り出すための具体的な手段として、グルーピング、列組み、段つけはフラワーデザインのテクニックの中で大切なものです。上手に取り入れると、植物の個性をより魅力的に見せることができますよ」

と岡先生。

 

   

グルーピングや段つけって、実技の授業で方法としては習ってはいた。植物を並行に挿して自然的に仕上げる「並行植生的」や、人工的で華やかな雰囲気の「並行装飾的」のアレンジメントなどのときに。実技の最中って、時間内にちゃんと形にしなくてはということだけで頭の中がいっぱいで、テクニックとしての意味とか理由まで考える余裕がなかったんだよね。

 

でもこうやって、実技と並行しながら、理論だけを落ちついて学ぶ機会があると理解がぐっと深まる。フラワーの学校で、どうして理論の勉強をするんだろうって最初は不思議だったけれど、今は違う。植物を自然の中で咲いているときの様に魅力的に見せるためには、絶対に必要なことなんだ。

 

 

午後の実技は、「並行植生的」のアレンジメント。

 

 

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「このアレンジメントは3回目なので、今日は自分で総合的に判断しながら作業を進めましょう。ラクスパー、トルコキキョウ、ナデシコ、アゲラタム。この4種類のお花をどう挿すか。まずお花の主張の強さと、必要とする空間について考えます。最も華やかなラクスパーはお花も上に向かって咲いているから、その勢いを妨げないよう、上方向に空間が必要よね?

 

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次に主張が強いトルコキキョウは、丸いお花だからその周囲に空間がいる。ナデシコとアゲラタムはともに主張は弱いけれど、2つを比べるとナデシコのほうが花びらが上でパッと広がっていて華やか。アゲラタムは静かで動かないイメージだから、大きな空間は必要としない。さあ、説明はここまで。あとは自分で考えて挿してみましょう」

  

えーっ、ちゃんとできるか心配・・・。「並行植生的」は久しぶりなので、ちょっと忘れてるし・・・。でもやってみよう。

「植生的」のアレンジメントでは、植物の自然の姿を表現することが大切。ラクスパーなら、その背の高さを生かして見せる必要があるんだよね。お花の分量が一番多くてよく咲いているものを、主のグループ用に分けておいて・・・。アゲラタムは、ナデシコより低い位置に挿しなさいって先生がおっしゃっていた。その中でも、よく咲いているものは高く、そうでないのは低くとアップダウンをつけないと。お花だけじゃなく、茎や葉っぱの状態もよく見なきゃ。主のグループ、対抗するグループ、寄り添うグループ、3つの位置関係にも注意して・・・。

 

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先生の説明を聞いて、ただ言われたとおりに手を動かしているときとは感覚が違う。いざ自分で考えてやる段階になると、これまで構成理論の授業で習ったことがいかに重要で役に立つか、体、というか手で実感できる!

「グルーピングはちゃんとできていますか?3つのグループがそれぞれよく見えるか、必要な空間はとれているか、主のグループの面積と対抗するグループのそれとに違いはあるか。寄り添うグループはちゃんと小さくできているか。最後に自己チェックしましょう」

と岡先生。

 

 

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まだまだ完璧とは言えない・・・。でも、実技と講義で学んだ内容で、それぞれ断片的にしか理解できてなかったことが自分の中でつながってきて、楽しくなってきた!

はさみやナイフの使い方も、我ながら少し板についてきたかな?

Posted on 2008.05.20 - 授業レポート -

7 植物の生長のリズムと動きを考える


5月20()

今日の構成理論では、久しぶりにじっくり岡先生のお話を聞きました。内容は「形態」について。

 

「植物の魅力は、色や形の美しさだけではありません。光に向かって生長していく生命体としての力強さにもあると思います。生長過程での植物の動きはとても複雑。茎の伸びる方向や花の咲く向きを見ても、真上に真っすぐ育つものもあれば、真横だったり斜めだったり、四方八方に伸びていくものもあって、常に変化もしている。

でも、そこには必ず生長のリズムがあるの。そのリズムからも、私たちは作品のインスピレーションを得ることができるのですよ」

と先生。

 

生長の動きが植物の魅力の一つだなんて、考えたこともなかったなぁ。

この植物の生長する方向と動きのことを、フラワーデザインの世界では「形態」と呼ぶそうだ。

 

形態は大きく二つに分けられる。一つは、自らの力で伸びていくような外向的なイメージの植物が属するアクティブ(能動的)な形態。

もう一つは、自然の重力に逆らわずに生長する、静かで内向的なイメージの植物が属するパッシブ(受動的)な形態。

 

能動的な形態にもいろいろあって、例えばデルフィニウム、ラクスパー、カラーなどのように上に真っすぐ伸びていく植物は「上向きの形態」に分類される。上に向かって伸びる茎の先に丸い形の花が咲くひまわり、ラナンキュラス、ガーベラなどは「先が丸い形態」で、花がいくつかの方向に向いて咲くアマリリス、ユリ、アイリスなどは「展開している形態」。ウンリュウヤナギやフウセンカズラなどは、茎が曲線を描き、茎同士が触れ合うように生長するので「たわむれる形態」。ほかに「広がる、揺れる形態」「折れ曲がったような形態」がある。

 

 

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受動的な形態には、プリムラやモスなどの「静かで動かない形態」、グリーンネックレス、ハートカズラなど、茎が重力に従って垂れ下がる「流れる出るままの形態」、アイビー、ポトスなど垂れ下がってから上へと生長していく「流れ出て、上への形態」がある。

 

一口に形態っていっても、茎の伸び方や花の咲き方によってずいぶん細かく分かれるんだなあ。こうやって具体的に説明を聞いてみると、植物の生長の動きってホント個性的で面白い。

 

「その植物の個性をいきいきと表現するためには、使用する花材それぞれに適した空間を作品の中に作ることが必要なの。求められる空間の位置と大きさは、形態によっても決めることができます。ここが重要なところよ」

と先生。

例えば「上向きの形態」の植物なら、生長を妨げる印象にならないよう茎の先端の上方向に大きな空間が必要。「たわむれる形態」なら、曲線を描く茎の表情がよく見えるように、茎の周囲に空間を作る。作品に落ち着きを与える受動的なグループの植物の場合は、周囲に大きな空間は必要としない。これらの特徴をしっかり認識し、植物同士の動きを邪魔しないように考えて配置。また植物が生育している姿を表現する自然的な作品の場合は形態そのものを尊重して扱い、人工的な作品では、「折れ曲がったような形態」の茎のラインを幾何学的なデザインの一部として生かすなど、作品のイメージや製作意図によって、形態の取り入れ方は変わってくる。

 

「例えばユリとナスタチュームのような、ともに能動的で上向きの植物を一つの作品の中に使いたい場合。それぞれにふさわしい空間を取りながら根元に受動的なグループの葉や蔓を入れると、それぞれの個性が邪魔されないで落ち着いて見えます。またラナンキュラスやポピーなど『先が丸い形態』のお花の茎を短く切って花瓶に生けると、茎の動きが隠れるから静かで受動的な印象になる。同じお花でも、花びらを大きく広げて咲いている花のほうが蕾よりも広い空間が必要。いろいろな形態の動きを効果的に取り入れて、植物の生命力を感じさせるようなデザインが構成できるようになるといいわね」

 

これからは植物を見るとき、色や形だけでなく生長の動きを観察することにもっと敏感になろう。形態や生長のリズムを感じ取ることは、これまで知らなかった植物の魅力や表情の発見につながるし、作品作りにも生かせる。今の私の技術レベルではすぐに反映させることはできないかもしれないけど、今日の勉強が将来必ず役に立つことは、ひしひしと感じる。

 

午後の実技は、「丸い花束」の2回目です。

 

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「丸い花束の3つの造形規準は何だったか、皆さん覚えていますか?」

と岡先生から質問が!

見る人に美しさと心地よさを与えるフラワーデザインのためには、「コンポジション」「レイアウト」「モーメント」という、3つの造形規準をどう構築するかが大きなポイントになる。これは構成理論の最初の授業で勉強したけれど、もう一度復習します。

 

コンポジションは作品全体の構成のことで、対称(シンメトリー)に作るか、非対称(アシンメトリー)かの2通りに分かれる。レイアウトは配置、花の挿し方のこと。放射、平行、交差、スパイラル、アンフォルメル(不定形)の5つのタイプに分かれる。モーメントは植物が本来持っている動きの方向である力線・動線のことで、植物の生命力を表現するもの。花のすべての茎が一点から出ているのか、それぞれが独立した基点から出ているのか、の2通りで、この基点のことを焦点、または生長点と呼ぶ。

 

丸い花束の場合は・・・コンポジションはシンメトリー、レイアウトは放射、モーメントは、すべての植物素材の茎が一点に集中する、一焦点だね!

 

「造形規準をしっかり頭に入れて、今日はなるべく皆さん自身で考えながら花束をまとめてみましょう」

と岡先生。

スプレーカーネーション、ヒメアスター、スプレーバラ、スプレーデルフィニウム、レザーファン、ミリオクラダス・・・前回より扱う花材の種類が増えている!その分、下処理に時間がかかるってことだから、ちゃんと授業時間内に作り終わるよう、時間配分も考えて作業しなきゃ。

 

「バラのトゲはていねいに取りましょう。束ねるときに他のお花を傷つける危険があるし、商品として売る場合、もし茎に残ったトゲで痛い思いをお客様にさせてしまったら、その方は二度とお店に足を運んでくれませんよ」

プロとしての意識は、そういう基本的な作業にこそ表れる。気を引き締めなきゃ。

 

 

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それにしても、お花を丸くまとめるのって、やっぱり難しい。横から見たときに、左右の花の量がバランスよく同じにならない・・・。

 

クラスメートも苦戦している。

 

 

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「吸水フォームに挿していくアレンジメントのほうがラクじゃない?一回挿せばお花はその位置で留まっていてくれる。花束は、茎を手で握って押さえていないと、せっかくまとめても位置がずれちゃいそうで、握力がいる」

「左手が疲れるし、蒸れてくるよ~」

慣れてくれば、力を入れなくてもささっと束ねられるようになるって先生はおっしゃるけど、いつのことやら・・・。

 

でも皆、前回より手の動きは早くなっている。授業中だけでなく、実習で使い終わったお花を持ち帰って家でも練習しているからだよね。私もそう。韓国からの留学生の子は、「割り箸や、お花より安くて日持ちのする枝物や葉物を買ってきてもイメージトレーニングはできるよ」って教えてくれた。なるほど、アイデアだね!

 

 

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Posted on 2008.05.13 - 授業レポート -

6 植物を感じ取って作品につなげる②


513日(火)。

先週の授業で描いた皆の「空想の花束」のデッサンをプロジェクターで映しながら、先生の講評を聞きました。

 

季節柄、カラーやカーネーションが多い。

プロのような本格的な絵もあるし、ラッピングした状態まできちんと描いてあるものも。

 

 

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「今回のデッサンで一番重要なのは、上手い下手ではないの。お花の主張度がきちんと考慮されているどうかです。花や葉、茎の様子までわかるように描かれているか、花を束ねた下の茎までていねいに描いてあるか、それぞれのお花の大きさを正しくとらえているか、などもポイントになります」

 と岡先生。

 

 

 

「主張度の大きいユリと、中程度の主張のマーガレットを合わせるアイデアはいいけれど、二つのお花の大きさに変化がないわね。どちらが何倍大きいか、高さやバランスを、描く前に頭の中で照らし合わせましょう」

 

「スズランとカラーを同じ高さに合わせるのは、無理があるんじゃない?」

 

「お花がきゅうくつそう。大きい主張の植物は花が咲くにも大きな空間が必要だから、他の植物との空間をとって、花がのびのび出来るようにデザインを考え描きましょう」

 

「胡蝶蘭の曲線的なフォームと、ゆったりとした雰囲気がよく出ている」

 

「ダリアのお花が全部こちらを向いて並んでいる姿は可愛いけれど、葉や茎の描き方でもっと表情が出せるはず」

 

他の人のデッサンを見ると刺激になる。

私はカラーにカーネーションとかすみ草の組み合わせで、自分が知っている可愛いお花を寄せ集めて、なんとなくまとめてしまったけれど、同じカラーでもチューリップと合わせたり、またパイナップルとアマリリスでハワイをイメージしたものなど、皆、独創的!

 

「デッサンをもとに花束を作ったら素敵に仕上がりそう?どんな場所に飾ったら引き立つかしら?」

 

実際にお花を使わなくても、頭の中で空想のアレンジメントを考えるだけですごく勉強になる。それを実感した実習でした。

 

 

 

 

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午後の実技は「トライアンギュラー」に挑戦。

 

二等辺三角形のシンメトリーに構成するアレンジメントで、スプレーカーネーション、姫アスター、ピットスホルム、タマシダを使います。

 

 

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ポイントは、作品の幅と高さを5:8にすること、フォーカルポイント(アレンジメントを見たときに一番最初に目に入る場所)に、最もきれいに咲いているお花を挿すこと、三角形の頂点となる一番高い位置に挿すカーネーションをどれにすればよいか見極めること・・・と今回もたくさん!

 

一番高い位置に挿すものは、茎が真っ直ぐで小さめのお花がきれいに咲いていることが必須。

 

この位置が決まってないと全体のバランスが崩れるから、メジャーで測って確認する。次にこれと垂直となる主軸3本を挿し、フォーカルポイントを含む正面の花を挿していく。

 

 

 

こういう幾何学的なアレンジメントって、形どおりに挿していけばよくてひょっとして簡単かな、とあなどっていたけれど、とんでもない! 

お花は自然のものだから、茎が完全に真っ直ぐってことはありえない。

 

 

 

挿し方が悪いと斜めになって全体がゆがんで見えてしまうし、アレンジメントの輪郭を三角形に構成するのって、実は難しい。

 

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私に配られたカーネーション、他の子のものと比べて蕾が多く、きれいに咲いているお花が少なかったような・・・。

 

そのせいにするわけじゃないけれど、なんだか今日の仕上がりはパッとしない。いつもはデジカメで作品を撮っておくのだけど、今日はやめたい気分・・・。

 

皆、上手にできてるなぁ。次回は少しでも納得のいく作品が作れるよう、家でも練習しよう。

 

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