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 学校法人 日本フラワーデザイン専門学校 フラワーデザイン授業レポート

  • フラワーデザイン授業レポート

Posted on 2008.09.08 - 授業レポート -

12 夏休みの宿題


DSC_0002.JPG9月8日(火)。構成理論最後の授業の日。

夏休み前に出た宿題、「植物の個性を発見して、デッサンを描く」の発表と講評です。

庭に咲いている花など、身近な植物を一つ選んで写真を撮り、生育場所、原産地、主張度、動きの形態、テクスチャー、色、香りや象徴性など、植物の個性を構成している要素を図鑑で調べたり観察して書き出し、その植物を使ったアレンジメントのデッサン画とともに提出しました。

 

その中から先生に選ばれた8人が、それぞれ選んだ植物について発表しました。

 

DSC_0006.JPG「日光のよくあたる屋外の木にからみついて育っている。原産地は中国。強く支配的な存在感はないけれど、華麗な美しさを持つ中程度の主張の植物。テクスチャーはガラス的で透明感がある。色は青紫や白、赤など。似ている植物はスイートーピー、キキョウ。反対の植物はひまわり、アジサイで、理由は茎が蔓状に生長するアサガオとは違い、茎が太くしっかりとしているから」(アサガオ)

 「お花の形が鈴のよう。ビタミンカラーで、可愛くて見ていると元気になる。おごそかな場所に飾るのには向かない」(サンダーソニア)

 

DSC_0018.JPGしっとりしている。深い海の底を思わせるような、器の大きな高貴な女性のイメージ。とてもよい香りが特徴」(ガーデニア)「近所に住む20代のお姉さんをイメージするお花」(トレニア)

「情熱的な20代後半の女性のイメージ。同じキク科で花の形が丸いガーベラ、ヒマワリ、ヤグルマギクが似ている植物。花の形が特殊で個性的なユリや、小さな花がたくさんつくカスミソウが反対の植物」(ダリア)

 

 

皆よく調べているし、自分の目で観察してキャラクターを感じ取っている。

アサガオは、うちのお向かいの家の玄関先に鉢植えが置いてあって、なんとなく毎日目にしている。でもテクスチャーがガラス的で透明感があるなんて考えてもみなかった。そんな感じ方もあるんだと、新発見!

 

特にすごいなと感じたのは、8人とも選んだお花のキャラクターを生かし、他の花材と合わせたアレンジメントのデッサンをちゃんと考えて、描けて「原産地が熱帯アジアなので、花の形の面白さをいかして熱帯の雰囲気のアレンジメントをアシンメトリーで考えました」(クルクマ)

 

DSC_0026.JPG「テーマは"夏の涼しさ"。長く伸びる茎を見せるため、ラインがシャープなアレンジメントにしました。アガパンサスで"涼"を、組み合わせたバラとゲイラックスで夏の暑さを表現。造形のイメージは自然的、コンポジションはアシンメトリー、レイアウトは並行、モーメントは複数生長点です」(アガパンサス)

 「極楽鳥のイメージを持つエキゾチックな色と形を活用したアレンジメントで、テーマは"飛翔"です」(ストレリチア)

 

 

私も、原産地などは図鑑や本などですぐに調べることができた。でもアレンジメントを考えるのに時間がかかってしまって、デザイン画は未完成のまま提出・・・。観察した植物の個性を使って何を表現したいのか、イメージを確立しないと描けないし、性格の似た植物を組み合わせて雰囲気をまとめるとか、反対の植物でメリハリを出すとか、お花選びにものすごく悩んでしまったから。

 

最後に、岡先生から宿題に対する総評です。

「生育場所や色、テクスチャーなどは、図鑑で調べただけで実際の植物を見ていなかったり、また推測だけで調べていなかったりがありました。自分の目と頭、両方で確認することが必要です。

キャラクターについては、内面的な性格、お姉さんっぽいとか、形や大きさだけでなく、そこから先のことを感じることが大切。また、香りに特徴のあるお花を選んだのに、触れてない人もいたのは残念。今回は難しかったと思うけれど、お花が散っていく姿まで観察すると、より個性や性格がわかります」

「アレンジメントは、お花の分量が少ない人が多かった。選んだ植物はある程度たくさん使って、主役が何であるのかを明確にしましょう。また夏のイメージとうたっているのに、春にしか咲かない花が入っているのは、季節をテーマにしている場合矛盾が生じる。何を表現したいのか、ちゃんと煮詰めること。完成した作品は実際に長く楽しめるのか、吸水方法についても考えることも大切です」

 

なるほどなあ。皆の発表と先生のお話を参考にして、今なら私もデッサン画を仕上げられそう!

 

 

午後の実技の授業では、「放射」をテーマに作品を作りました。

 

DSC_0075.JPG

使用花材は、スカビオサ10本。器は学校にある好きなものを自分で選び、造形のイメージは植生的でも人工的でも好みで決めてよく、30分以内に仕上げる。

 

「自分が何をテーマにどんなものを作りたいか、何を表現し見せたいかが固まっていないと、見てくれる人に作品を通して思いを伝えることはできません。シャープなラインのアレンジメントをと思っていたのに、お花屋さんで可愛いパンジーを見つけたのでそれも入れたいな・・・というように、あれもこれも、になると作者の意図が曖昧になってしまう。今回、花材は一種類とシンプル。"私が見せたい放射はこれだ!"という思いを強く持ってやってみましょう」

と斯波先生。

 

DSC_0048.JPG  DSC_0050.JPG 

今の自分の知識と技術を総動員し、自分なりの放射を表現するんだね。放射のアレンジメントの場合は、茎がすべて同じ位置から出ているように挿さないといけない。ちょうど水をまくとき、ホースの先を押さえると放射状に水が出る。あのイメージかな。

 

DSC_0068.JPG先生からの講評は・・・。

 

 

「こちらは植生的のアレンジメント。風や光の入り方が考えてあり、一焦点もよくできています。ただ、器がちょっと仰々しく重い感じ。植生的に合わせるなら、素朴で自然な形のほうがいい」

 

 

 

「こちらも植生的。放射はよくできているけれど、空間にこれから伸びていこうとするお花を増やしたほうがいいですね」

 

DSC_0077.JPG「こちらは人工的なアレンジメント。コロンとした赤い器と、花の形と色が合っていて、人工的な雰囲気がよく出ています。放射の形も幾何学的でいい」

「さっきより、より人工的な印象が強い作品ね。シンメトリーがきれいに形成できている。横から見たときもシンメトリーになっていますね」

 

 

 

 

使う植物が一種類のシンプルなアレンジメントでも、作り手によってこれだけ雰囲気が変わるし、魅力的な表現ができるんだね!もし構成理論を勉強していなかったら、全て同じように作ったアレンジメントだと感じたかも知れない。でも今は、シンプルな中にも考えるべき理論が必ずあるということがよくわかる。

 

「一通り習った基礎を、再度一つ一つ確認しながら固めていく。これは高い技術を習得し、高度な作品が作れるレベルに到達するまでの階段を一段ずつ踏み固めながら登っていくことと同じ。一段目が固まっていないと、次の段には登れないでしょう。基礎は大切なのです」

という先生の言葉に、深く納得。

 

Posted on 2008.06.17 - 授業レポート -

11 植物のテクスチャー


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「人間と同じように、植物もそれぞれ個性、キャラクターを持っています。姿・形や、花や茎がどんなリズムで生長していくかはキャラクターの構成要素です。それらをよく観察して植物の特徴を理解し、作品に取り入れることがフラワーデザインでは重要。今日は、やはりキャラクターの一つであるテクスチャーについてお話します」

と岡先生。

 

テクスチャーとは、葉、茎、花の表面の質感と特徴のことで、材質感ともいう。フラワーデザインでは、手でさわった感触よりも、視覚的な印象を大切にするのだそう。

「実際に触れなくても、温かそうとか、冷たそうとか、繊細、柔らかそう、エレガント、都会的、カントリー風などの印象は、目で見て感じ取れるでしょう。どの植物がどんな材質感を持っているか、その材質感をどう表現するのか考えてみましょう」

と先生。

 

アンスリウムやフィロデンドロンは、硬くて光沢があり、なめらかでクールな印象。だから「金属のような材質感を持っている植物」と表現できる。すべすべして光沢のあるヒアシンス、スズランなどは「磁器・陶器のような材質感」。光沢があってなめらかだけど、厚みを感じるゲイラックス、ツバキの葉などは「皮のような」。柔らかく繊細、薄くてしっとりした感じのお花のラナンキュラス、スイートピー、ポピーなどは「シルクのような」。他にも深紅のバラ、セントポーリアなど、柔らかく深みがあり、落ち着いた光沢のあるお花は「ビロードのような」と表現できるし、ふわふわして柔らかく、あたたかな印象のケイトウは「ウールのような」となる。ざらざらして艶のないソリダコ、エリンジウムは「麻のような」印象・・・。

 

すべすべしている、とか、柔らかそうという印象を植物から感じることはあったけど、テクスチャーの表現がこんなにバラエティに富んでいるなんて、考えたことなかった。

 

「テクスチャーは、お花のイメージや雰囲気と結びついています。どんなテクスチャーを持つ植物かによって、飾る場所にも影響がでてきます。皆さんも着ていく洋服を選ぶとき、出かける場所に合わせて服の質感、素材感を決めることはあるでしょう。また、レザースーツを着たとき、シルクのワンピースを着たとき、それぞれどんな気分になって、どんな場所にでかけたくなりますか?少なくとも、高原へピクニックには行かないわよね。それと同じで、お花もレザーのような材質感の植物は都会的で新しい建築物に向くとか、シルクやビロードのような植物は、老舗ホテルのロビーなどあらたまった雰囲気のところと、関係性は出てきますよ」 

と岡先生。

 

これは器との関係でもいえること。金属的な光沢を持つ植物には、同じくクールで金属的な雰囲気の器を合わせる。エレガントな磁器を思わせるテクスチャーの、例えばユーチャリスのようなお花なら、ガラスや磁器、陶器の器。キンセンカ、ヤグルマギクなど、きめの粗いテクスチャーで野趣のあるものの場合は、テラコッタやバスケットなど、田舎を連想するものが合うとか・・・。

 

「テクスチャーは色によっても印象は変わります。深紅のバラの花びらはビロードのような印象だけれど、白バラの花びらはシルクのように見える。同じ色でも、粗く凹凸のある表面では色は鈍く落ち着いて感じるけれど、なめらかな表面では明るく強く輝いた色に見えます」

そう言われてみれば、その通りだ!

 

その他、植物の個性に与える影響が大きいものといえば、色。一本の花でも、花びらの表と裏、つけ根と先端、開花したときと蕾によっても違いがある。また香りや、花にまつわる神話などの象徴性も個性に結びつくのだそう。

植物のキャラクターを決める要素って、本当に幅広いんだ。

 

「どのような植物がどんな特徴を持っているか、分類について本などで学ぶことは作品作りに役立ちます。でも、単に知識として覚えるだけでは不十分。自分自身の感性で、その植物がどんな雰囲気を持っているのか感じ取ろうとしなければ。理論と自分の感覚、そして経験。頭と心の両方で植物に接することが大切なのよ」

と先生。

 

植物の性格や個性は、一面的に決めつけることはできない。観察する人の感性が豊かであればあるほど、さまざまな個性を感じ取ることができるんだ。感じ取った個性を生かしたフラワーデザインは、植物の生き生きとした生命力を感じさせるものになる。

植物を観察する目を養って感性を磨き、そんな作品が作れるようになりたいな。

 

 

DSC_0032.JPG午後の実技の授業は「並行装飾的」のアレンジメントの3回目。

主役は1回目と同じひまわり。

その他バラ、スプレーカーネーション、ソケイ、ゲイラックスを使います。

 

 

 

 

 

「今日は特にアドバイスはしませんから、自分で考えて、1時間で完成させましょう」

と岡先生。

 

DSC_0004.JPG教科書や、これまでの実技のノートを参考にして考える。

 

アシンメトリーに構成する並行装飾的のアレンジメントで大切なのは、まずグルーピング。主のグループ、対抗するグループ、寄り添うグループに入れる花の分量を8:5:3の割合にすること。

 

 

DSC_0017.JPG

 

次に植物素材を互いに並行に配置し、並行性を出すこと。そして人工的なイメージを強めるために、閉じた輪郭を形成すること。

ソケイを使って、閉塞感が出るように仕上げるんだっけ。

並行装飾的のアレンジメントは、同じ並行でも植生的より華やかなので好きだな。

 

 

DSC_0026.JPG出来上がった作品に対しての、先生の講評です。

「右端の作品は、3つのグループに入れる花の分量が4:2:1になってしまっているわね。一番左は、主のグループと寄り添うグループが一体化した印象。グルーピングをもっとはっきりと」

「ひまわりは上に向かって咲くお花だから、お花の周囲に全体に空間が必要な丸い形態でしたね。この挿し方では少しきゅうくつそうね」

 

DSC_0039.JPG

 

 

「カーネーションも、お花の咲き方や大きさを見て、各グループに合うようにグルーピングをしてから挿しましょう」「ゲイラックスの位置、各グループの中心に挿している人が多かったけど、アシンメトリーのアレンジメントなので中心軸からはずす必要があります」

 

 

 

DSC_0058.JPGうーん、自分の作品と照らし合わせてみても、反省点がたくさんある・・・。

花材を吸水フォームから全部抜いて、もう一度で生け直し。やり直すと勉強になる。さっきはひまわりとバラに対して、カーネーションを高い位置にたくさん挿しすぎた。今度はリズム感と高低差を考えて段付けしなきゃ。

出来上がったら自己診断。なんとなくメリハリがないなぁ。主のグループと寄り添うグループの距離が近すぎるからだ!構成理論の講義でも習ったグルーピングは、作品にメリハリを与える効果があるとはわかっているけれど、実際自分でやってみると、グループ同士の間隔の取り方がけっこう難しいんだよね。

でも、理論を勉強したおかげで、なぜこうなったのかを分析する力がついたのは大きな進歩!

 

 

 

DSC_0062.JPG 

 

Posted on 2008.06.10 - 授業レポート -

10 プロポーション(比率・割合)について


6月10日(火)

 

 

DSC_0001.JPG    a.JPG(前回の講評)

 

「作品の中に花材を配置するとき、花材同士、またはグループ同士のバランスについて考えることは重要です。このバランスはプロポーションと深い関係があります」

と岡先生。

プロポーションは比率とも呼ばれ、フラワーデザインではコンポジション(構成)、レイアウト(配置)モーメント(動線・力線)と並んで、美を作り出すための重要な造形規準の一つ。作品全体に対し、ある花材やグループが占める割合のことや、花材同士、グループ同士を比較したときの分量の割合、関係のことをさす。プロポーションのバランスをどうとるかで、作品の美しさや、見る人に与えるイメージが大きく変ってくるんだって。

 

「皆さんはすでに実技の授業で、美しいバランスを生み出すプロポーションについては実践していますね」

 

と先生。あれ、そうだっけ?

「アシンメトリーの作品を作るとき、主のグループ、対抗するグループ、寄り添うグループと3つにグループピングしていますよね。そのとき、主のグループに入れる花の量は8、対抗するグループは5、寄り添うグループに入れる量は3と、全体で8::3の割合になるように行っているでしょう。この割合のことをプロポーションと呼ぶのよ」

 

そうだったのか!確かに、実技でアレンジメントを作るとき、この割合が変わると安定感が失われたり雰囲気が変わることは実感していた。でも、なぜ8:5:3なんだろう?

 

美しいプロポーションを決定するためには、昔から使われている基準がある。黄金分割と等量分割だそう。

黄金分割は、人間にとって最も安定し美しいとされる比率で、建築や美術で利用される。ある長さを2つに分けたとき、短いほうと長いほうの割合が、長いほうの長さと全体の長さの割合に等しい関係にあることをいう。

黄金のように絶対的に美しい比率なので、このように名づけられているとか。正確には1:1.618・・・となるけれど、3:5または5:8として覚えるとわかりやすい。古代ギリシャ時代には、建築や窓枠、額縁から彫刻など、すべての美の原理として使われた。有名なミロのヴィーナスも、これに従って作られているんだって。

 

「実は自然界に存在するものは、そのままで美しい比率を備えているものが多いの。形が美しくバランスがとれていると感じる葉っぱをみつけたら、長さと幅を測ってその比率を計算してみてごらんなさい。黄金比率に近いことがよくあります」

と先生。

 

へえ、それって、すごく面白いし神秘的!

等量分割とは、日本で古くから利用されてきた分割法。1:1、1:2、1:3、2:3、3:5、5:8・・・と、単純明快でわかりやすく、覚えやすい。例えば畳1枚は1:2の比率で構成されているし、障子や格子の桟は1:1、6畳間の間取りは3:4など、日本人の生活のいたるところで見られる比率なのだそう。

そういえば黄金分割、等量分割のどちらにも、3:5、5:8の比率が含まれているけれど?

 

「美しい比率は世界共通、ということなのね。皆さんが実技で実践している8:5:3の比率は、現在のフラワーデザインでよく使うアシンメトリーのコンポジション。それがなぜなのかわかりましたか?等量分割による整数比でもあり、同時に黄金比でもあるからなのね」

と先生。

 

昔からさまざまな造形の中で活用されてきた比率の基準。魅力的なフラワーデザインのためには、その原理を知ることは大切なんだ。作品全体の幅と高さの関係だけでなく、花器と花の関係などにも比率の考えを活かすことができるんだって。

 

「でも、私たちが扱うのは植物です。一つ一つが完成された美や個性を持つ生命体で、数字以上に見る人の感性に訴えかける、生まれながらにしての魅力を多く備えている素材。そこが他のデザイン分野との違いです。したがって実際の作品に比率をあてはめて考えるとき、単に本数や長さを基準にするだけでは不十分。姿、形から受ける生命力やボリューム感、色、材質感などさまざまな要素を統合して判断することが必要になります。例えば球状に咲く花と平たい花、または円錐形の花を同じ高さで生けると、見え方が違ってくることは想像できますよね。また花材だけでなく、使用する器の形や色、材質感によって、同じ比率でも感じ方は変わりますよ」

 

あえて比率の基準をはずしてみる。すると思いがけない効果が得られて、面白いフラワーデザインが生まれることもあるのだそう。数字だけに縛られずに、感覚的にバランスを捉えて作品が作れるようになることも必要だって。そのためには実技の練習だけでなく、自然をよく観察し、植物の姿やキャラクターをもっと知ることも大切じゃないかと思う。

 

 

午後の実技は、丸い花束。

 

s.JPG3回目の今日は先生からの説明に頼らず、習ったことを具体的に意識しながら自分でまとめなければなりません・・・。

 

 

 

 

 

d.JPG使用花材はバラ、スプレーカーネーション、ダイアンサス、ブルーファンタジー、スプレーデルフィニウム、センニチコウ、ミリオグラタス、レモンリーフ、レザーファン、ピットスポラムと、これまでにない多さ!下処理にかけられる時間はたった40分だって。できるかな?でも間に合わせないと、今日は1回花束をまとめたあと崩して2回目を作らないといけないので、時間が足りなくなってしまう。

 

 

f.JPGのサムネール画像「プロポーションについて自分で考えてみましょう。円形部分の直径と高さの割合を、8:3~8:5にすることは覚えていますか?直径は25センチに仕上げるので、高さは何センチになるでしょう?」

と岡先生。

午前中の構成理論の授業で習ったプロポーションの話を思い出す。25センチの3/8から5/8ってことは・・・計算すると約915センチだ!茎は、円形部分の高さの1/2から2/3の長さに切りそろえる。つまり、高さと茎の長さの割合は、2:1から3:2になるってこと。ここには日本古来の等量分割が活用されているんだね。

 

数字って実は苦手だけど、今日は勉強したばかりの内容なのでしっかり頭に入るな。今日はお花の種類が多いので、配置のバランスを考えるのに悩んでしまう。

  

z.JPGのサムネール画像  l.JPG

 

出来上がった花束を先生に見ていただく。

「少しお花の量が多すぎて暑苦しい印象ね。カーネーションを一列減らして、代わりにミリオグラタスを入れてみたら。ボリュームはそのままで、もっとすっきりするわよ

お花をたくさん入れればいいってわけではないのね・・・。

 

 

仕上げた自分の作品は、毎回写真に撮っている。それをノートに貼って、先生からの講評を書き込んでまとめる方法は、他の子がやっているのを見て参考にした。T美ちゃんは、そこに午前中の構成理論の授業で習ったことも、プリントを参照して書き加えてるんだって。

構成理論が実技にどう活きるのかがわかると、自分で考えながら作品を構成できるようになってくる。楽しいな!

 

x.JPG入学式からはや2ヶ月。まだ2ヶ月だなんて信じられない。あっというまに1週間が過ぎていくけれど、知識や技術が少しずつ身についていくのを実感するよ。2ヶ月前は、こんなふうに花束がまとめられるようになるなんて、想像もできなかった!

 

 

j.JPG 

 

 

 

 

 

 

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Posted on 2008.06.03 - 授業レポート -

9 レイアウトの実習


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DSC_0034.JPGのサムネール画像

 

「今日は皆さんにレイアウトの実習をしてもらいます。はさみとのりは用意してきましたね?」

と岡先生。

先生からは、A3の大きさの黒い紙1枚と、水色と黄色の小さい紙が配られる。お花を使わないで、どんな実習をするんだろう?

美を作り出すための造形規準の1つ、レイアウトは、位置や空間のバランスを考えて植物素材を作品の中に配置していくこと。そのための具体的なテクニックとして、グルーピング(何本かの植物でグループを作って挿すこと)、列組み(2つ以上の素材を一定の間隔をとりながら列にして配置すること)、段つけ(アップダウンをつけて素材を挿すこと)があることは、先週の授業で習いました。

 

「今回は列組みの効果を平面上で確認してもらう実習です。水色と黄色の紙で好きな形を切り抜き、まず"素材"を作ります。四角、丸、三角など、単純な形のほうがいいわね。それらを黒い紙の上に並べてリズミカルな列組みを構成してみましょう。同じ素材の大小の組み合わせてもいいし、異なる形や色の素材を組み合わせて1つのグループを作り、それを繰り返して並べてもいい。大切なのは、リズムが感じられるようにすること。シンメトリーとアシンメトリーの列、両方を作ってみましょう」

リズミカルな列って、どういうものだっけ?先週のノートを見ると、

 

 

gi.JPGのサムネール画像「異なる素材を異なる間隔で規則的に繰り返して並べると、リズミカルな列になる」って書いてある。

とりあえず、大きさの違う四角を切って交互に並べ、シンメトリーな列を作ってみる。

いまひとつリズム感に欠けるかな・・・。もっといろんな形が入ったほうがいいのかな。それで丸や三角なども作って並べる。

 

 

 

 

アシンメトリーは、左右が非対称となる形のこと。並べていくうちに間隔やバランスのとり方に迷ってしまって、気がついたら列じゃなくて輪になってしまった・・・。

 

 

DSC_0016.JPGのサムネール画像 

やり直し。単純に大きさの違う丸だけで構成してみると、うまくできた。

 

 

実習のあとは、皆の作品見ながら先生の講評を聞く。

 

 

 

「シンメトリーとアシンメトリーの違いや、列の定義がわかなくなってしまった人もいたみたいね。でもこうやって作品を比較してみると、リズムを生む要素とは何か、感じ取れるのではないかしら。まず、列の印象を明確にする必要があって、そのためには素材と素材の空間を適度にとることが大切。シンメトリーよりはアシンメトリー、直線よりは曲線、素材に大小の変化がついている方が、リズミカルな印象は増します。ただ規則性がないと統一感はなく、統一感がないとリズム感も生まれません。

列組みは、舞台やホールなど広い空間での装飾の際、見る人の意識を集中させる効果があります。フラワーデザインのテクニックの中でも重要なものです。今回のように切り紙を使わなくても、紙面を舞台の平面図に見立て、鉛筆でオブジェの配置を決めるようなつもりで列を描いてみるのも練習になりますよ」

舞台装飾や空間装飾など、お花を使っての装飾って、さまざまな可能性があるんだ。今勉強していることは全てアレンジメントだけでなく、広い分野で活かせるものなんだね。

 

 

 

午後の実習は、「並行装飾的」のアレンジメント。前回はひまわりで作ったけれど、今日はガーベラ、スプレーカーネーション、アゲラタム、ソケイを使います。

 

howa.JPG「植生的は、植物が自然に生えている様子を表現するアレンジメント。対する装飾的は、華麗な豊かさを表現します。今回は茎のラインで明確な並行を作るため、ガーベラの茎にワイヤーを入れて整えてみましょう。

と斯波先生。

 

 

 

 

 

 

DSC_0042.JPGのサムネール画像ワイヤーを使うのは初めて。なんだかプロに一歩近づいた感じ!ワイヤーテクニックにもいろいろあるそうだけど、今日習うのは茎の中心部に挿し込むインサーションという方法だそうです。

 

  

 

 

 

 

DSC_0045.JPGのサムネール画像 DSC_0049.JPGのサムネール画像左手で花を上に向け、中心にワイヤーを挿していく。簡単にできるのだとばかり思っていたけど、真っすぐ入らずに途中で茎が折れてしまったりする・・・。

「茎が折れちゃったー」

「せんせーい、どうやってなおせばいいですかー」

教室のあちこちから、救いを求める手が上がる。私も挙手・・・。先生から、別のワイヤーを挿して折れた茎をつぎ、緑のフローラルテープで巻くという応急処置の仕方を教わる。まるで怪我をして、包帯で巻かれたような姿になったガーベラたちが痛々しい・・・。

 

DSC_0055.JPG「検定試験のときは、ついだお花を使って作品を作ると減点になります。今日は各自に10本のガーベラが配られていますが、茎の折れたものは除いて、9、8、7本と、本数が少なくなってもできるよう、構成を考えておきましょう。その場合でも、主のグループ、対抗するグループ、寄り添うグループのグループ分けと、各グループの花の分量を8:5:3の比率にすることに変わりはありませんよ」

 

 

 

 

 

レイアウトのテクニックの一つ、グルーピングについては先週の構成理論の授業で習ったばかり。グループ分けをして強弱をつけることで、フラワーデザインにメリハリと面白味が生まれるんだ。理論を勉強してその意味を理解しておけば、ハプニングにも慌てず対応することができるのだと思う。

「ワイヤリングばかりに気をとられて、アレンジメントの構成の基本を忘れないようにね。ガーベラとカーネーションの段つけはできてますか?」

と先生。

 

 

段つけも、先週習ったレイアウトの方法の一つ。花材にアップダウンをつけて挿すことで作品の中に空間が生まれ、立体感や奥行き感、リズム感も加わり、植物全体の姿や動きを見せることができる。

これまでは先生の説明に沿って手を動かしていただけだったけど、勉強するうちに効果を自分で具体的に考えられるようになってきた!

 

 

DSC_0052.JPG  no.JPG 

時間に、他のクラスメートの作品を見てまわる。

全員、同じ花材を使って、同じアレンジメントを作っているのに、それぞれ印象が違うし個性があるなぁ。参考になるアレンジメントの特徴はノートに書きとめておこう。

 

DSC_0078.JPGのサムネール画像  DSC_0075.JPG

Posted on 2008.05.27 - -

8 レイアウトの方法


527日(火)。

美を作り出すための重要な条件「造形の秩序」。その中の3つの造形規準、コンポジション(構成)、レイアウト(配置)モーメント(動線・力線)の中の、今日はレイアウトについての勉強です。

 

フラワーデザインの世界でいうレイアウトとは、植物素材を、位置や空間の取り方を考えて作品の中にバランスよく配置すること。そのための具体的な方法として、グルーピング、列組み、段つけの3つがあるという。

 

グルーピングは、何本かの植物でグループを作り、それぞれのバランスを考えて配置すること。一つの作品の中に主のグループ(支配的)、対抗するグループまたは副グループ(主グループに従属)を作って強弱をつけることで、フラワーデザインにメリハリと面白味が生まれる。ただし、作品の統一感のために、グループに共通した素材を使うことが重要になる。

グルーピングには、主のグループを中心に据え、2つの対抗するグループを等距離に配置する方法などで、シンメトリーに見せる「厳密なグループ分け」と、主のグループのそばに寄り添うグループを置き、離れたところに対抗するグループを置く方法などでアシンメトリーに見せる「自由なグループ分け」の2通りがある。どちらの方法を選択するかは、作品のイメージや制作意図によって変わってくる。

 

列組みは、列を作って素材を配置していくこと。一定のリズムで配置すると安定した列、変化をつけるとリズミカルな列になる。また同じ素材を繰り返すと明快な印象となり、異なる素材を異なる間隔で規則的に繰り返すと、さらにリズミカルさは増す。列組みの効果は列の先の存在へと見る人を心理的に誘導することにあって、教会の祭壇へ向かうバージンロードの両側の花装飾や、駅に向かう通りの並木などが例として挙げられる。

 

段つけは、挿す花材に高低差、つまりアップダウンをつけること。アップダウンを作ることによって作品の中に空間が生まれ、立体感や奥行き感もでて植物全体の姿や動きを見せることができる。真ん中に入れる花材を低くして両側を高くすると段差がはっきりし、効果はより明確に得られる。

 

「美を作り出すための具体的な手段として、グルーピング、列組み、段つけはフラワーデザインのテクニックの中で大切なものです。上手に取り入れると、植物の個性をより魅力的に見せることができますよ」

と岡先生。

 

   

グルーピングや段つけって、実技の授業で方法としては習ってはいた。植物を並行に挿して自然的に仕上げる「並行植生的」や、人工的で華やかな雰囲気の「並行装飾的」のアレンジメントなどのときに。実技の最中って、時間内にちゃんと形にしなくてはということだけで頭の中がいっぱいで、テクニックとしての意味とか理由まで考える余裕がなかったんだよね。

 

でもこうやって、実技と並行しながら、理論だけを落ちついて学ぶ機会があると理解がぐっと深まる。フラワーの学校で、どうして理論の勉強をするんだろうって最初は不思議だったけれど、今は違う。植物を自然の中で咲いているときの様に魅力的に見せるためには、絶対に必要なことなんだ。

 

 

午後の実技は、「並行植生的」のアレンジメント。

 

 

DSC_0034.JPG

 

 

「このアレンジメントは3回目なので、今日は自分で総合的に判断しながら作業を進めましょう。ラクスパー、トルコキキョウ、ナデシコ、アゲラタム。この4種類のお花をどう挿すか。まずお花の主張の強さと、必要とする空間について考えます。最も華やかなラクスパーはお花も上に向かって咲いているから、その勢いを妨げないよう、上方向に空間が必要よね?

 

suyo.JPG  matsu.JPG 

 

次に主張が強いトルコキキョウは、丸いお花だからその周囲に空間がいる。ナデシコとアゲラタムはともに主張は弱いけれど、2つを比べるとナデシコのほうが花びらが上でパッと広がっていて華やか。アゲラタムは静かで動かないイメージだから、大きな空間は必要としない。さあ、説明はここまで。あとは自分で考えて挿してみましょう」

  

えーっ、ちゃんとできるか心配・・・。「並行植生的」は久しぶりなので、ちょっと忘れてるし・・・。でもやってみよう。

「植生的」のアレンジメントでは、植物の自然の姿を表現することが大切。ラクスパーなら、その背の高さを生かして見せる必要があるんだよね。お花の分量が一番多くてよく咲いているものを、主のグループ用に分けておいて・・・。アゲラタムは、ナデシコより低い位置に挿しなさいって先生がおっしゃっていた。その中でも、よく咲いているものは高く、そうでないのは低くとアップダウンをつけないと。お花だけじゃなく、茎や葉っぱの状態もよく見なきゃ。主のグループ、対抗するグループ、寄り添うグループ、3つの位置関係にも注意して・・・。

 

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先生の説明を聞いて、ただ言われたとおりに手を動かしているときとは感覚が違う。いざ自分で考えてやる段階になると、これまで構成理論の授業で習ったことがいかに重要で役に立つか、体、というか手で実感できる!

「グルーピングはちゃんとできていますか?3つのグループがそれぞれよく見えるか、必要な空間はとれているか、主のグループの面積と対抗するグループのそれとに違いはあるか。寄り添うグループはちゃんと小さくできているか。最後に自己チェックしましょう」

と岡先生。

 

 

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まだまだ完璧とは言えない・・・。でも、実技と講義で学んだ内容で、それぞれ断片的にしか理解できてなかったことが自分の中でつながってきて、楽しくなってきた!

はさみやナイフの使い方も、我ながら少し板についてきたかな?

Posted on 2008.05.20 - 授業レポート -

7 植物の生長のリズムと動きを考える


5月20()

今日の構成理論では、久しぶりにじっくり岡先生のお話を聞きました。内容は「形態」について。

 

「植物の魅力は、色や形の美しさだけではありません。光に向かって生長していく生命体としての力強さにもあると思います。生長過程での植物の動きはとても複雑。茎の伸びる方向や花の咲く向きを見ても、真上に真っすぐ育つものもあれば、真横だったり斜めだったり、四方八方に伸びていくものもあって、常に変化もしている。

でも、そこには必ず生長のリズムがあるの。そのリズムからも、私たちは作品のインスピレーションを得ることができるのですよ」

と先生。

 

生長の動きが植物の魅力の一つだなんて、考えたこともなかったなぁ。

この植物の生長する方向と動きのことを、フラワーデザインの世界では「形態」と呼ぶそうだ。

 

形態は大きく二つに分けられる。一つは、自らの力で伸びていくような外向的なイメージの植物が属するアクティブ(能動的)な形態。

もう一つは、自然の重力に逆らわずに生長する、静かで内向的なイメージの植物が属するパッシブ(受動的)な形態。

 

能動的な形態にもいろいろあって、例えばデルフィニウム、ラクスパー、カラーなどのように上に真っすぐ伸びていく植物は「上向きの形態」に分類される。上に向かって伸びる茎の先に丸い形の花が咲くひまわり、ラナンキュラス、ガーベラなどは「先が丸い形態」で、花がいくつかの方向に向いて咲くアマリリス、ユリ、アイリスなどは「展開している形態」。ウンリュウヤナギやフウセンカズラなどは、茎が曲線を描き、茎同士が触れ合うように生長するので「たわむれる形態」。ほかに「広がる、揺れる形態」「折れ曲がったような形態」がある。

 

 

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受動的な形態には、プリムラやモスなどの「静かで動かない形態」、グリーンネックレス、ハートカズラなど、茎が重力に従って垂れ下がる「流れる出るままの形態」、アイビー、ポトスなど垂れ下がってから上へと生長していく「流れ出て、上への形態」がある。

 

一口に形態っていっても、茎の伸び方や花の咲き方によってずいぶん細かく分かれるんだなあ。こうやって具体的に説明を聞いてみると、植物の生長の動きってホント個性的で面白い。

 

「その植物の個性をいきいきと表現するためには、使用する花材それぞれに適した空間を作品の中に作ることが必要なの。求められる空間の位置と大きさは、形態によっても決めることができます。ここが重要なところよ」

と先生。

例えば「上向きの形態」の植物なら、生長を妨げる印象にならないよう茎の先端の上方向に大きな空間が必要。「たわむれる形態」なら、曲線を描く茎の表情がよく見えるように、茎の周囲に空間を作る。作品に落ち着きを与える受動的なグループの植物の場合は、周囲に大きな空間は必要としない。これらの特徴をしっかり認識し、植物同士の動きを邪魔しないように考えて配置。また植物が生育している姿を表現する自然的な作品の場合は形態そのものを尊重して扱い、人工的な作品では、「折れ曲がったような形態」の茎のラインを幾何学的なデザインの一部として生かすなど、作品のイメージや製作意図によって、形態の取り入れ方は変わってくる。

 

「例えばユリとナスタチュームのような、ともに能動的で上向きの植物を一つの作品の中に使いたい場合。それぞれにふさわしい空間を取りながら根元に受動的なグループの葉や蔓を入れると、それぞれの個性が邪魔されないで落ち着いて見えます。またラナンキュラスやポピーなど『先が丸い形態』のお花の茎を短く切って花瓶に生けると、茎の動きが隠れるから静かで受動的な印象になる。同じお花でも、花びらを大きく広げて咲いている花のほうが蕾よりも広い空間が必要。いろいろな形態の動きを効果的に取り入れて、植物の生命力を感じさせるようなデザインが構成できるようになるといいわね」

 

これからは植物を見るとき、色や形だけでなく生長の動きを観察することにもっと敏感になろう。形態や生長のリズムを感じ取ることは、これまで知らなかった植物の魅力や表情の発見につながるし、作品作りにも生かせる。今の私の技術レベルではすぐに反映させることはできないかもしれないけど、今日の勉強が将来必ず役に立つことは、ひしひしと感じる。

 

午後の実技は、「丸い花束」の2回目です。

 

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「丸い花束の3つの造形規準は何だったか、皆さん覚えていますか?」

と岡先生から質問が!

見る人に美しさと心地よさを与えるフラワーデザインのためには、「コンポジション」「レイアウト」「モーメント」という、3つの造形規準をどう構築するかが大きなポイントになる。これは構成理論の最初の授業で勉強したけれど、もう一度復習します。

 

コンポジションは作品全体の構成のことで、対称(シンメトリー)に作るか、非対称(アシンメトリー)かの2通りに分かれる。レイアウトは配置、花の挿し方のこと。放射、平行、交差、スパイラル、アンフォルメル(不定形)の5つのタイプに分かれる。モーメントは植物が本来持っている動きの方向である力線・動線のことで、植物の生命力を表現するもの。花のすべての茎が一点から出ているのか、それぞれが独立した基点から出ているのか、の2通りで、この基点のことを焦点、または生長点と呼ぶ。

 

丸い花束の場合は・・・コンポジションはシンメトリー、レイアウトは放射、モーメントは、すべての植物素材の茎が一点に集中する、一焦点だね!

 

「造形規準をしっかり頭に入れて、今日はなるべく皆さん自身で考えながら花束をまとめてみましょう」

と岡先生。

スプレーカーネーション、ヒメアスター、スプレーバラ、スプレーデルフィニウム、レザーファン、ミリオクラダス・・・前回より扱う花材の種類が増えている!その分、下処理に時間がかかるってことだから、ちゃんと授業時間内に作り終わるよう、時間配分も考えて作業しなきゃ。

 

「バラのトゲはていねいに取りましょう。束ねるときに他のお花を傷つける危険があるし、商品として売る場合、もし茎に残ったトゲで痛い思いをお客様にさせてしまったら、その方は二度とお店に足を運んでくれませんよ」

プロとしての意識は、そういう基本的な作業にこそ表れる。気を引き締めなきゃ。

 

 

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それにしても、お花を丸くまとめるのって、やっぱり難しい。横から見たときに、左右の花の量がバランスよく同じにならない・・・。

 

クラスメートも苦戦している。

 

 

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「吸水フォームに挿していくアレンジメントのほうがラクじゃない?一回挿せばお花はその位置で留まっていてくれる。花束は、茎を手で握って押さえていないと、せっかくまとめても位置がずれちゃいそうで、握力がいる」

「左手が疲れるし、蒸れてくるよ~」

慣れてくれば、力を入れなくてもささっと束ねられるようになるって先生はおっしゃるけど、いつのことやら・・・。

 

でも皆、前回より手の動きは早くなっている。授業中だけでなく、実習で使い終わったお花を持ち帰って家でも練習しているからだよね。私もそう。韓国からの留学生の子は、「割り箸や、お花より安くて日持ちのする枝物や葉物を買ってきてもイメージトレーニングはできるよ」って教えてくれた。なるほど、アイデアだね!

 

 

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Posted on 2008.05.13 - 授業レポート -

6 植物を感じ取って作品につなげる②


513日(火)。

先週の授業で描いた皆の「空想の花束」のデッサンをプロジェクターで映しながら、先生の講評を聞きました。

 

季節柄、カラーやカーネーションが多い。

プロのような本格的な絵もあるし、ラッピングした状態まできちんと描いてあるものも。

 

 

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「今回のデッサンで一番重要なのは、上手い下手ではないの。お花の主張度がきちんと考慮されているどうかです。花や葉、茎の様子までわかるように描かれているか、花を束ねた下の茎までていねいに描いてあるか、それぞれのお花の大きさを正しくとらえているか、などもポイントになります」

 と岡先生。

 

 

 

「主張度の大きいユリと、中程度の主張のマーガレットを合わせるアイデアはいいけれど、二つのお花の大きさに変化がないわね。どちらが何倍大きいか、高さやバランスを、描く前に頭の中で照らし合わせましょう」

 

「スズランとカラーを同じ高さに合わせるのは、無理があるんじゃない?」

 

「お花がきゅうくつそう。大きい主張の植物は花が咲くにも大きな空間が必要だから、他の植物との空間をとって、花がのびのび出来るようにデザインを考え描きましょう」

 

「胡蝶蘭の曲線的なフォームと、ゆったりとした雰囲気がよく出ている」

 

「ダリアのお花が全部こちらを向いて並んでいる姿は可愛いけれど、葉や茎の描き方でもっと表情が出せるはず」

 

他の人のデッサンを見ると刺激になる。

私はカラーにカーネーションとかすみ草の組み合わせで、自分が知っている可愛いお花を寄せ集めて、なんとなくまとめてしまったけれど、同じカラーでもチューリップと合わせたり、またパイナップルとアマリリスでハワイをイメージしたものなど、皆、独創的!

 

「デッサンをもとに花束を作ったら素敵に仕上がりそう?どんな場所に飾ったら引き立つかしら?」

 

実際にお花を使わなくても、頭の中で空想のアレンジメントを考えるだけですごく勉強になる。それを実感した実習でした。

 

 

 

 

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午後の実技は「トライアンギュラー」に挑戦。

 

二等辺三角形のシンメトリーに構成するアレンジメントで、スプレーカーネーション、姫アスター、ピットスホルム、タマシダを使います。

 

 

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ポイントは、作品の幅と高さを5:8にすること、フォーカルポイント(アレンジメントを見たときに一番最初に目に入る場所)に、最もきれいに咲いているお花を挿すこと、三角形の頂点となる一番高い位置に挿すカーネーションをどれにすればよいか見極めること・・・と今回もたくさん!

 

一番高い位置に挿すものは、茎が真っ直ぐで小さめのお花がきれいに咲いていることが必須。

 

この位置が決まってないと全体のバランスが崩れるから、メジャーで測って確認する。次にこれと垂直となる主軸3本を挿し、フォーカルポイントを含む正面の花を挿していく。

 

 

 

こういう幾何学的なアレンジメントって、形どおりに挿していけばよくてひょっとして簡単かな、とあなどっていたけれど、とんでもない! 

お花は自然のものだから、茎が完全に真っ直ぐってことはありえない。

 

 

 

挿し方が悪いと斜めになって全体がゆがんで見えてしまうし、アレンジメントの輪郭を三角形に構成するのって、実は難しい。

 

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私に配られたカーネーション、他の子のものと比べて蕾が多く、きれいに咲いているお花が少なかったような・・・。

 

そのせいにするわけじゃないけれど、なんだか今日の仕上がりはパッとしない。いつもはデジカメで作品を撮っておくのだけど、今日はやめたい気分・・・。

 

皆、上手にできてるなぁ。次回は少しでも納得のいく作品が作れるよう、家でも練習しよう。

 

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Posted on 2008.04.29 - 授業レポート -

5 植物を感じ取って作品につなげる①


429()

 

 

  

好奇心を持ち、常に新鮮な目で植物を観察する。

これはフラワーデザインをする上でとても大切なこと。

 

「植物のキャラクターについても、授業で学んだ事がすべてとは思わず、自分の目と心で発見した新しいものを、自分の中に蓄えていく。そうすることで感性はさらに磨かれる」

まさにそうだ、先生の言うとおり。

 

一人ひとりの発見したことが作品の個性にもつながりそうだ。

そのための宿題が、先週出ました。

 

「3つの主張度の植物をそれぞれ4種類ずつ写真に撮り、名前を覚えてくること」

 

「主張度」は、植物のキャラクターを決める大切な要素の一つ。1本でも存在感があり支配的で高貴な印象の植物は、「大きな主張」、華麗な美しさを持ち、数本をまとめて使うことによって魅力がよりアップする「中程度の主張」、1本では強い存在感はないけれど、群生して用いることで個性が主張できるものを「わずかな主張」と呼ぶ。

 

この3つの主張度をしっかり頭に入れて、公園や植物園に足を運び、近所のお花屋さんにも頼んで撮らせてもらってきた。

今日の授業は、その写真を使っての実習。

まず、撮ってきた写真の中から最も存在感のあるお花を選んで、どんなキャラクターなのかを言葉で書き出す。

花や葉の形はどうか、プリントした写真や携帯、デジカメの画面に写っていない茎や植物全体の姿も思い出し、できるだけ細かく。植物の持つ雰囲気や空気感などの印象も!

 

 

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私が選んだお花は、カラー。

 

感じることはいろいろある。

 

でも、他人が読んで理解できる文章で表現しなきゃいけないし、難しそう・・・。

 

と思ったけれど、お花をじーっと観察していたら言葉が浮かんできた!

 

 

 

 

 

 

 

「花は白くてラッパのような形をしていて、茎は長く真っ直ぐ。

葉の形は、お花屋さんで写した写真からはわからないけど・・・

茎の根元についていたんだと思う。茎は触ると柔らかい。

茎の緑と花の白の対比が爽やかで涼しげ。

気品はあるけれど、近寄りがたい雰囲気はなくて、人間に例えると、背が高くてスマートな、姐肌の頼れる先輩って感じがする」

 

  こうやって書き出してみると、カラーがどんな特徴や個性を持つのか、自分の中でまとまってくる。

フラワーアレンジメントの雰囲気作りに大きな影響を与える植物のキャラクター。

キャラクターを構成している様々な事柄を具体的に掴み取り、植物のイメージをまとめることはとても大切。

作品の中でどんな効果を生むか、他にどんなお花を合わせるとより引き立つかなどについて、考えを広げていくことができるそうだ。

 

 

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次に、その写真の花と雰囲気の合いそうな植物を思い浮かべて

「空想の花束」を描く。

 

写生ではなくて、頭の中で作った花束を紙上にデッサンするってこと。

絵は好きだけど得意ってわけじゃないし・・・。

 

れに、ただ好きなお花を組み合わせればよいのではなく、お花の主張度とその扱いを考えないといけない。

 

隣の席のE子ちゃん、すごく可愛い花束を描いている。

携帯の画面上の画像は、前回の実習で使ったひまわり。

 

「去年の夏、ひまわりにブルーベリーの枝を合わせたアレンジメントを自己流で作ったらよく合ったから、思い出してそれを描いている。ひまわりは中程度の主張で、ブルーベリーは・・・わずかな主張かな?」

 

実際にお花を使って花束を作るときも、こうやって主張度を考えながらまとめるんだ、きっと。

今日はそのための予行練習だね。

 

私は・・・大きな主張のカラーに何を合わせよう?お花の種類にまだ詳しくないので、教科書の写真も参考にしながら考える。

「お花の主張度を頭に入れながらね、主張度ですよ」と繰り返される岡先生のやわらかな声をBGM代わりに、作業に熱中。

 

 

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DSC_0027.JPG午後の実技のテーマは「丸い花束」。

 

お花を丸く束ねることができたら素敵だなーと憧れていたので楽しみ!

 

これは花束の基礎中の基礎で、丸い花束の技術をマスターすると、フラワーデザインのバリエーションの幅が広がるんだって。

 

使うお花はスプレーカーネーション、姫アスター、ミリオグラタス、レザーファン。

 

大切なのは、下処理。

必要な長さを考えて茎を切り、余分な葉を除いて枝分けし、束ねるまで水につけておく。

 

「アスターは枝分かれが多いうえにボリュームがあり、水分がなかなか葉の先まで行き渡りません。また葉が多いから、行き渡ったお水もそこからどんどん蒸発していく。つまり、水を吸い上げるのに苦労するお花なのね。外に出しておくとすぐしおれてしまうので、下処理がすんだら手早く水につけてあげましょう。逆にカーネーションは丈夫なので、水なしでもしばらくは大丈夫。もちろん、どんなお花も水の中に入れることは大切なのだけど、どのお花がより先に水を必要とするか、植物をよく観察して見極め、水揚げや下処理の優先順位を自分で考えられるようになりましょう」

 

と岡先生。

 

フラワーアレンジメントで重要なのは、植物をしっかり観察する目。

それがあってこそ、技術も生きてくる。

 

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「茎が真っ直ぐで、花が上を向いているものを花束の中心に入れるように。茎がカーブしたものは外側に」

 

でもスパイラルという、茎を11本、斜めに旋回させながらまとめていく技術は思ったよりずっと高度。

幅と高さのバランスが、思い通りにはならない!

 

「手に持ったときの安定感と、真上から見下ろしてみて、丸くバランスがとれているかどうかをよく考えてね」

と先生はおっしゃるけれど、

 

「均等に丸くならない」

 

「円の一部が膨らんで、なんだかヘルメットみたいな仕上がり」

 

「中心のお花が気に入らなくて挿し直したら、よけいバランスが崩れておかしくなっちゃった~」

と皆苦戦。

 

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Y里ちゃんの作品はとてもきれいに仕上がっている。

高校時代は華道部で、フラワーアレンジメントの教室にも通っていたという本校でも数少ない花の経験者で、本当のお花好き。

 

「アレンジメントの教室では、ただきれいに生ければいいって感じの雰囲気を楽しむ内容で物足りなかった。この学校では基礎から理論も含めしっかり、きちんと学べるのが楽しい。さすがプロを育てる学校!!

 

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同じ花材を使っても、作品の出来上がりは全員微妙に違ってくるから不思議。

 

 


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